「山脈 : 小説集」の検索結果

5件

新書　冊子　山脈叢書２５

著者の甘耀明は、莫言がその才能を賞賛した台湾文学界の若手実力派。2015年7月には白水社から刊行された短編小説集『神秘列車』が話題を呼んだ。その語り口は台湾土着の魔幻写実主義と評される。本作は『台湾文学金典賞』（台湾文化部主催）2015年度受賞作品。代表作『殺鬼（鬼殺し）』も2016年に白水社より邦訳刊行予定。

【あらすじ】
とある食堂の片隅で孤独な暮らしを送っているアミ族の少女、「殺刀王」の異名を取るアスペルガー症候群と失語症を患う木こり。台湾東海岸の町・花蓮で出会った二人は、山奥に学校を建設するという願いを叶えるため花蓮を離れる。
台湾全土を巡りながら学校の設立資金を集める二人が旅の途中で出会う人々。 台湾最大のホトトギス生息地・花蓮玉里鎮に住む国民党老兵、中央山脈に潜む共産党員の教師、慈濟信者、中共の迫害により台湾に渡ってきたカトリック司祭。
1970年代台湾の自然と文化を生き生きと伝える魅惑的な物語。中央山脈一帯で行われてきた狂乱的な森林伐採、台湾奥地に残る貴重な原生林の姿、登山という行為よって湧き上がる生への渇望、奇妙な運命を秘めた菊港山荘、身寄りのない一匹の野良犬、森林大火災から逃げる人々の間に生まれる絆と友情。その全てを温かい筆致で描きだす本作は、台湾の若手実力派作家・甘耀明の現時点における最高傑作である。

「走了多久？」
「一個太陽，一個月亮，一條河，六個山。」
這是動人的愛情故事，她為他蓋一間學校，他為她犧牲了摯愛。
她是古阿霞，在餐廳梯間躲了五年的阿美族女孩，有一天決定跟花蓮市最有名的「殺刀王」離開。
他是帕吉魯，是電鋸狂飆年代的傳統手鋸伐木工，罹患亞斯伯格症與緘默症的他總是沉默如樹。
為了蓋學校，他們環島募款，進入「臺灣最大杜鵑窩」花蓮玉里鎮尋找神祕的老兵，翻越中央山脈找尋令人深刻的共產黨老師，拜見慈濟人與遭中共驅逐的天主教主教，一路突破困境宛如上帝與菩薩出手幫忙。然而，學校蓋好了，更艱鉅的命運即將考驗他們……
這也不只是愛情故事，更訴說一九七○年代自然文化的迷人故事，呈現中央山脈瘋狂的伐木景象、臺灣山林最後處女地的珍貴、一則攀登聖母峰的生死掙扎、一座藏著傳奇命運的菊港山莊、一隻身分成謎的大山之狗、一個如何在森林大火脫困的互助情誼，這是甘耀明突破《殺鬼》的溫柔之作。